
勝負に負けると「次こそは勝つ」と強気に行ってやっぱり負ける。
負けると、なぜか負けが続いてしまう。
これってオカルトのように感じますが、実は数学上で「逆正弦法則」というものがあり、どういう仕組みなのかが解明されています。
ここでは、知っておいて損はない「逆正弦法則」を簡単解説していきます。

逆正弦法則ってなに?
まずは、逆正弦法則について簡単に説明します。
期待値ゼロのゲームを繰り返した時に、累積収支はゼロに収束するのではなく、プラスの人はずっとプラスで、マイナスの人はずっとマイナスになることが多くなる
ということになります。
簡単に言うと、一度プラス収支になるとマイナス収支になりづらく、逆に一度マイナス収支になるとプラス収支になりづらいということです。
コインの表裏でケーススタディ
コインの表が出れば100円もらえ、裏が出たら100円払うというギャンブルをした場合、10回後の収支はどうなるでしょうか?
イメージ的には、勝率が50%なので、10回後には下の表のように、プラマイゼロになる確率が高くなるとイメージしがちです。

この図を見ると、10回勝負する間に勝ったり負けたりを繰り返し、プラス域とマイナス域を行ったり来たりして収支が「プラマイゼロ」になるイメージを持ちますよね。
10連続勝ったり、10連続負けることはほとんどないようなイメージです。
では、次に「勝っている状態」と「負けている状態」の差を比べてみることにします。
「勝っている状態」とは、それまでの累計収支が黒字の状態
「負けている状態」とは、それまでの累計収支が赤字の状態を言います。
「勝っている状態」-「負けている状態」の数字をグラフにしてみます。
10回連続で負けた場合は当然「‐10」になります。
6回連続で負けた後、4回勝った場合も、ずっと赤字が続くので「‐10」になります。
3回連続で負けた後、7回勝った場合は、6回目でやっと収支が0になり、赤字状態が「5」、黒字状態が「4」になるため「-1」になります。

10回勝負をして出てくる1024通りの結果を「勝っている状態」-「負けている状態」で表すと、ずっと勝っている(10)、またはずっと負けている(‐10)状態が続くパターンが一番多く出現することになります。
これをスポーツにあてはめてみると
逆正弦法則は、なにもギャンブルの時だけに使うものではありません。
これをスポーツに置き換えて考えてみましょう。
サッカーやテニスにおいて、両チーム(選手)の実力が拮抗している試合の場合、先行したチームがそのまま勝ったりすることを多く目にします。
お互いに逆転につぐ逆転で、面白い試合展開になることは珍しい部類に入るのではないでしょうか。
ブックメーカーで賭けをするときにも、実力伯仲の試合予想では、どちらが先手を取るかで勝敗予想ができるかもしれません。
負けが込んできたら一旦引くのも戦略
勝率50%のギャンブルの場合に限らず、一旦赤字域に入ってしまうと、黒字域に戻すのは非常に難しくなります。
負けを取り戻そうとして、より一層の赤字を招いてしまうことの方が多いと思ったほうが賢明です。
わかりやすく言うと、もともと赤字の状態からスタートして、黒字域まで行かなくてはいけないと考えると、非常に難しい条件であることがわかるのではないでしょうか。
その上、ブックメーカーでは必ず「ハウスエッジ」と呼ばれる胴元の取り分があります。
ということは、少しではありますが、勝つ確率よりも負ける確率の方が高くなっている状態だということも理解しないといけません。
その上で、赤字から黒字への転換は非常に難しく、一旦退却をして、再度、黒字スタートできる状態にリセットをしたほうが得策だと思います。
まとめ
○理論上、勝率50%で勝てば2倍のギャンブルを行った時、最終の収支は0に近づくことになります。
しかしながら、勝っている状態、負けている状態という切り口で見た時には、勝っている人はずっと勝っている状態にいて、負けている人はずっと負けている状態にいることが多くなります。
○一度負けている状態に入ると、そこから同じだけの勝ちを手にするのは非常に難しい。
○負けている状態になった時には、一旦引くことでリセットして、再度勝つ側に回るように立ち回るのが賢い選択
